<21回目>情報化
地域の数ほど取り組みが
■どう整備するか
いろんな人たちが集まってきた。
別府湾を見おろすホテルで二月二十|二十二日に行われたハイパーネットワーク社会研究所主催の地域情報化の勉強会でのこと。今回は、百人限定のはずが、全国各地から百六十人を超える参加者でふくれ上がってる。
過去、九〇年頃からさまざまに勉強会を重ねてきてて、それこそ北海道から東北、北陸、中部、関東とあっちこっちから、心を熱くされた方々が集まってこられる。今回は九州大や福岡大、福岡県庁など、福岡からの参加が多くなってきたのが特徴。
テーマは、インターネット型の地域の情報化をどのように整備していくか? ということなんだけれど、まぁ、地域の数ほどいろんな取り組みがありますね。
■子供らが教える
話題を集めたのが、人口二千人程の山村、富山県山田村の話。あそこって、役場が村民の希望する人たちにパソコンをパァ~って思いっ切りよく配ったらしい。
しかも、そのパソコンは(今や世界を制覇しようとするwindowsじゃなくて)アップル社のマッキントッシュ。これは実はISDN回線さえあればTV会議ができるソフトがついている。最初はおっかなびっくりだった村の人たちも、相手の顔を見ながら話が出来る
面白さに次々と輪が広がっているらしく、いち早く使い方を習得した子供たちが大人たちにいろいろ教えているらしい。
その後に、せっかくのパソコンなんだから、と、インターネットや表計算の勉強会も始まって、今後が楽しみだ、とのこと。
このような情報化って分かりやすいですね。
■回覧板も宿題も
福岡と大分の境界にある大分県大山町も面白いんです。町営CATVを今年度ディジタル方式にやりかえた時に、実は、パソコンさえ用意すれば町内全戸で電話代がタダでインターネットできる仕組みが出来上がってしまったんですって。役場にホームページ
のサーバーさえ設ければ、全町イントラネットの完成です。これって町内回覧板も小学校の宿題も(!)インターネットで配れそうで、今後にドキドキしてしまいますね。
こういう自然いっぱいの村や町に住んで、農業しながらマルチメディアで都会の仕事も請け負ってやる、っていうマルチメディア兼業農家ができないかな、って思ってしまう。
もちろん県単位で頑張っているところも多く、大分県が先陣を切った、全県一円市内電話料金でコンピューター通信が出来る仕組みを実施しているところも多くなってきた。
この勉強会が行政の情報化担当者間で結構重要視されていることにもなっているようだ。何しろ夜遅くまで夜なべ談義がありますからね。
■新技術にびっくり
しかし、そんなお堅い方々ばかりでありません。コアラメンバーの主婦やOL、サラリーマン、経済学者、学生までさまざまに参加しており、常に市民・エンドユーザーからの視点で議論しているのが特徴だし面白いんです。
彼らはADSLと呼ばれる新技術の実演にびっくり。ホテル内の普通の電話回線一本を使ってテレビと変わらないなめらかなディジタルのビデオ映像が送れ、しかもそれを見ながら「もしもし」と話までできる。光ファイバーでなくってもここまでできるなら
「すぐに欲しい」「私の家にも」と声が挙がるのは当然のこと。
う~ん、興奮も整理も収まらない。
※ 掲載内容はコンテンツ制作当時の情報です。