電脳迷宮

<20回目>フロンティア

個人でも挑戦できる

■若い兄弟が起業
永渕良寛君、二十一歳。「ぼくた兄弟社」代表。まだ少年っぽさを感じさせる。
彼はコアラの中で、ブティックや婦人靴店など、若い女性が好んで回りそうなファッション店を対象に、ホームページ制作を請け負っている。
もちろん「社」と名前に付いているので分かる通り“商売”としてだが、収入はゼロだ、と、明るく嘆いてる。
「兄弟社」なんてのも欧米の「○○ブラザーズ」のような名前の会社を彷彿(ほうふつ)とさせて面白いのだが、実は代表は弟で、九州大の大学院生の兄さんが平社員。
しかし、きっかけは、やはり兄さんからのようで「学生時代に何かやってみたい、できればインターネットで」という思いがあって、ファッション専門学校中退の弟と相談。ファッションとインターネットを組み合わせたような格好で、友達を誘って、 昨年十一月に発足。

■すき間産業だが
これって面白い。今までは、まずコンピューターに詳しい技術者がいて「ホームページをつくりたい、しかし何をつくろうか? 技術以外は専門的知識がない」という話が多かったのですが、彼らにはファッションの専門知識がある。ブランド名のこと や、お店とお店のつながり、卸と小売りの関係などが分かっており、インターネットにホームページを持ちたいブティックの人にとっては話がしやすいことになりそう。
格好のすき間産業だ、ということになりそうだが、世の中そう甘くはない。
いわく「八十店舗ぐらいのお店を紹介してきたが、お金が取れない。まだまだ世の中インターネットに対する意識が低くって広告料として費用を取れない、今んとこ借金百万円。だれかボランティア的スポンサーいないかな?」と笑って話す。

■何かやってみたい 
実はこういう「何かやってみたい」という思いを持つ若い人がインターネットの周りにさまざまに出てきているようで、コアラ事務局のあるハイパーステーションによくやって来る。
先日も、足かけ五年ほどカナダのバンクーバーにいて、二週間前に日本に帰ってきたばかりという若い女性からメールが届いた。
「あちらでコンピューターカレッジを卒業して半年ほどパソコン関連の仕事に従事したが、日本でもその関係で何かやりたいので会ってほしい」とのこと。で、何ができるか一緒に試している。
そうそう、大分大学に留学しているアメリカ人も「何かボランティアでよいからやれることがないか?」とやって来た。
これって何か共通にフロンティア精神を感じさせると思いませんか?

■大人世代もぜひ
前回の記事で紹介した、マレーシアのマハティールさんのマルチメディア産業を誘致しようとする大規模地域開発には、アメリカや日本のトップ企業を巻き込む国際的フロンティア精神を感じさせて、すごいなぁ、って思いますが、決して大企業や国際 レベルの話だけではないようですね。
電脳迷宮は大企業だけでなく、インターネットが当たり前世代の若いネティズンたちによりいっそうの“個人でも挑戦できるフロンティア世界”に見えるようで、是非ともわれわれ大人世代も同じように夢を持ちたいところ。さぁ、一緒に何かやりませ んか?
そうそう、ぼくた兄弟社の兄さんはマハティールさんを尊敬してるって言ってたな。 

(ニューコアラ事務局長・尾野徹)

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