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伝統行事を次世代へつなぐために… サイト制作で業務効率化と発信力アップに貢献

2022.12.16

博多どんたく港まつり モバイルどんたく(モバどん)

クライアント

福岡市経済観光文化局国際経済・コンテンツ部まつり振興課 様
福岡市民の祭り振興会 様

 

サイト制作の概要

既存の課題を解決し、安全なイベント開催の実現を目指す

例年5月3日から4日にかけて開催される「博多どんたく港まつり」は、840年以上の歴史を持つ『博多松囃子』を起源に持ち、国内外誰でも参加可能な「参加型」のお祭りで、近年ではパレードや市内約30か所の演舞台において、約200万人のにぎわいを創出しています。
その一方、参加手続きが煩雑である、イベントの全体像がわかりづらいといった課題がありました。クライアント様が抱えるこれらの課題を解決し、さらに3年ぶりのどんたくを未来志向で安全に開催するために、機能・デザインに工夫を凝らしたサイトを制作しました。

参加・登録手続きのデジタル化

従来の参加申込は「郵送のみ、事前説明会や演舞台抽選会もリアル開催」だったため、大きな運営負担が生じていました。そこで、ウェブサイト上で参加申込が完結するスキームを構築し、クライアント様である運営者と、参加団体双方の利便性を向上させました。
また、当日参加団体の出欠を確認するため、チェックイン機能のシステムも構築しました。参加団体が、QRコードにて受付をすることで、出欠状況や進捗状況なども一目で把握できるようになりました。
 

分かりやすい情報発信による観客サービス向上と人流対策

「いつ・どこで・どんなイベントが行われるか」を分かりやすく情報提供し、どんたくをより楽しんでいただくとともに、各会場へのスムーズな移動をサポートし、混雑緩和と回遊性の向上に取り組みました。
特にスマートフォンを見ながら周遊する観客に配慮し、あえて主要メニューを下部に配置し、各会場の位置情報が閲覧できる「イベントマップ」のリンクをページ最上部に設置しました。
また応援している団体を追えるよう、「団体紹介」や「どんたくプログラム」コンテンツでは、団体ごとの情報検索しやすさに配慮しました。

また、どんたくの中心的なイベントとなるパレードはライブ配信されたため、期間中はアクセス数の急増が予測されました。事前に大量アクセス対策を行うことで安定したサイト稼働を実現し、ライブ配信再生数は12万回を超えました。

祭りの臨場感を伝えるデザイン

博多どんたくの祭りの賑やかさを伝えるため、サイトデザインには特に拘りました。
サイト全体に写真を多く載せることで、祭りの楽しさを表現し、観光客が祭りを楽しみながら、欲しい情報を容易に探せる構成にしました。細部にもこだわり、見出し1つの色合いもクライアントご担当者様と打ち合わせを重ね、ご納得頂けるデザインにしました。
 

さらに愛される地域の文化へ、発展的な情報発信

「参加団体」と「各演舞台の設置者」に専用ページを設けました。
専用ページからSNSのような感覚で投稿していただき「団体紹介」コンテンツに反映させ、参加団体に新たな自己表現の場を提供すると同時に、観客サービスの幅を広げることができました。終了後も各団体の活動が投稿され、一年を通してどんたくを紹介できる場となりました。
クライアント様の事業運営の負担低減と、地域社会への情報発信によって、「博多どんたく」という伝統行事を次世代へ受け継いでいくサポートにつながったこの案件は、当社ならではの社会貢献でもあると考えています。
 

制作スタッフの声

地域を代表する祭りに関わって

【メインディレクター、システム開発担当】
サイト制作を担当することが決まったときは、楽しみと同時に歴史ある「博多どんたく」を担当することに対する緊張感がありました。2021年8月からプロジェクトが稼働し、祭りを盛り上げる様々な提案を行いました。今回、当初想定していた仕様では、システム構築が難しく、お客様のご要望に沿う形で出来るように、プロジェクトメンバーで何度も協議を重ね、仕様を提案・再度修正を繰り返し行いました。
今回、作り上げた「チェックイン機能」「申し込み機能」等は、他案件でも活用できる機能となり、今後に繋げていきたいです。
又、私たちにとって、サイト制作を通じて、博多どんたくの祭りが更に思い入れのある祭りになりました。
 

若手社員の学びにもつながった「モバイルどんたく」
制作サブディレクター:池田

観光客ページの仕様書作成と、制作進行の補佐を担当しました。
「どんたく」HPは、多くのPVが見込まれていることから、負荷対策の関係上、汎用的な仕様の中で実装できないものがいくつかありました。実装する機能に縛りがある中で、どのようにすれば最大限UXを確保できるかを考えるのは楽しく、学びにもなりました。
またディレクター職として、大きなプロジェクトの動かし方を学ぶことができました。困ったときや行き詰ったときは、「どんたく」の時はどうしていたか、を考えることが多いです。
いままで「どんたく」を観に行ったことが無かったのですが、今回のプロジェクトでクライアント様の「どんたく」に込めた熱意や期待の大きさを、とても近いところで感じることができました。コロナが落ち着いたら、ぜひ観覧に行きたいですね。
 

本件システムの汎用サービス化

同様の課題を抱える他のイベント・観光サービスへの展開

今回、本サイト・システムで、「参加・登録手続きのデジタル化」「祭りの進捗状況」など、観光情報を分かりやすく提供するためのWEBシステムを開発しました。それにより、運営の効率化による事務改善や経費の削減、観光サービスの向上を図ることが出来ました。
今後も、同様の課題を抱える他祭りへの展開を行っていくことで、伝統的な祭りを末永く次世代へ受け継がれていく、持続可能な祭りへの大きな一歩となることを期待しております。
これからも、よりよいサイトを目指して参りますので、引き続きよろしくお願いします。
 

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